APAF – アジア舞台芸術人材育成部門とは

APAF – アジア舞台芸術人材育成部門とは

APAFは、2002年に開始された「アジア舞台芸術祭」を前身に、2017年から東京芸術祭の1部門となった人材育成のプログラムです。アジアの舞台芸術を通じた相互理解と文化交流の促進、アーティストの相互交流による舞台芸術の創造と水準向上、優れた人材と作品の発掘と、アジアにおける芸術・文化の振興に貢献することを目指しています。10年間プロデューサーを務めた宮城聰に代わり、2018年から新たにディレクターとして多田淳之介が就任しました。

APAF-3つのプログラム

国際共同クリエーション

昨年度(平成29年度)の国際共同制作ワークショップで「化粧」をテーマに制作された小作品のうち、選ばれた1作品をフルサイズに発展させ上演します。

国際共同制作ワークショップ

アジア発の新しい舞台芸術の創造をめざし、アジアの若手アーティストが集い交流しながら、プロデューサーの設定するテーマのもと、小作品を共同で制作します。

APAF アートキャンプ

日本国内・アジアを拠点に舞台芸術のジャンルで活躍する参加者たちが、東京芸術祭の開催期間に東京に滞在して、観劇、レクチャー、フィールドワークなどのインプットと、スピーチ、ディスカッションによるアウトプットをおこないます。最終日には一般公開でのプレゼンテーションを実施。未来の舞台芸術界に寄与する幅広いセクションの人材、活動を育成するプログラムです。

APAFアジア舞台芸術人材育成部門ディレクター就任にあたり

この度、前任の宮城聰さんからのバトンを受け取りAPAFアジア舞台芸術人材育成部門のディレクターを務めることになりました。最近は自身のアジアでの活動でも、コミュニティ、アーティストのローカリティをいかに保てるかということを考えます。国際共同製作の場合、お互いの共通点、最大公約数を探しがちで「アジアの価値観」なんてあたかも共通項があるかのようにも言われます。しかしアジア(という括りが可能ならば)と言っても歴史・文化、その背景となる気候・風土もあまりに多様で、東、西、南、北、中央、東南と合わせて48カ国、国内で言語・宗教・文化が違うのも当たり前、その多様なローカリティが多様な形で共存しているのがアジアです。もし「アジアの価値観」なるものがあるならば、多様であり続けること、異なるものを排除せずに共存することではないでしょうか。それは価値観であると同時に目指すべきアジアの価値でもあると感じています。

APAFの役割はアジア舞台芸術人材育成部門という名の通り「アジアで活躍する人材の育成」ですが、それはアジアを股にかけた活躍というよりも、各コミュニティで活躍するローカルな人材の育成だと考えています。国際共同プログラムは、特に若い世代にとっては国外、コミュニティの外で自分の芸術性を試せるチャンスでもありますが、同時に自身のローカリティと向き合う作業でもあります。外に出ていくことも大切な経験ですが、外に開いた時に内側に差し込む光を大切にしてほしいと思っています。そしてゆくゆくは、強度のあるローカリティを携えてアジア各地から世界中に人間についての豊かな視座をもたらすことを期待しています。

2018年度のプログラムはこれまでのスキームと大きくは変わりません。ワークショップとそのラップアップ、前年度のワークショップからのクリエーション、そしてアートキャンプという三つのプログラム構成です。特にワークショップ、クリエーションは異なる価値観、方法論に染める、染まるのではなく、ローカリティの共存、差異を抱えたまま協働を目指す場として、アートキャンプはローカリティのシェア、エクスチェンジ、活動プランの創案、実践に向けた思索の場としての充実を目指します。今後の展望としては各プログラム間、東京芸術祭の他セクションとの連携も視野に入れ、参加者が自身のコミュニティでの活動に更なる可能性を見出せるようなプログラム展開を目指します。

日本国内からの参加公募の幅も、出演者だけではなく演出家や他セクションへも広げます。国内各地域からの幅広い参加をお待ちしています。そして日本の観客にとっても、日本のローカリティ、アジア、世界への多様な視座を提供できるよう努めます。どうぞご期待ください。引き続きAPAFが日本から世界に貢献できる場になるよう、そしてバトンを次世代に繋いでいけるよう尽力する所存です。何卒よろしくお願いいたします。

多田 淳之介

ディレクター紹介

多田淳之介(ただ・じゅんのすけ)
Photo:平岩亨

1976年生まれ。演出家。東京デスロック主宰。富士見市民文化会館キラリふじみ芸術監督。古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品までアクチュアルに作品を立ち上げる。「地域密着、拠点日本」を標榜し、全国地域の劇場・芸術家との地域での芸術プログラムの開発・実践や演劇を専門としない人との創作、ワークショップも積極的に行い、演劇の持つ対話力・協働力を広く伝える。海外共同製作も数多く手がけ、特に韓国、東南アジアとの共作は多い。主宰する東京デスロックは2009年以降東京公演を休止。2013年に東京復帰公演を行うも現在は2020年東京オリンピック終了まで再休止している。2014年韓国の第50回東亜演劇賞演出賞を外国人として初受賞。2010年キラリふじみ芸術監督に公立劇場演劇部門の芸術監督として国内史上最年少で就任。高松市アートディレクター。四国学院大学非常勤講師。セゾン文化財団シニアフェロー対象アーティスト。

APAF-アジア舞台芸術人材育成部門

主催:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)/豊島区*
共催:国際交流基金アジアセンター
助成:平成30年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業(豊島区国際アート・カルチャー都市推進事業)*
*APAFワークショップ、アートキャンプに対して

PAGE TOP