Asian Performing Arts Farm(APAF:エーパフ)は、アジアのアーティストたちが相互交流によって創造する力を高め、文化や国境を超えて活躍する人材への成長を目指す、東京芸術祭内の人材育成プログラムです。 2002年にAsian Performing Arts Festivalとしてアジアの芸術交流による文化振興を目指し発足、2016年より東京芸術祭アジア舞台芸術人材育成部門 Asian Performing Arts Forumとして若いアーティストたちが集う場づくりをおこなってきました。2018年には10年間プロデューサーを務めた宮城聰に代わり多田淳之介がディレクターに就任し、2019年より名称を“Forum”から“Farm”へ変更。プログラム構成も大幅にモデルチェンジし、グローバル化が進む時代において、次世代のアーティストとして成長するためのより豊かな土壌をつくることを目指しています。2020年からは、しなやかで伸びやかなイメージを込めてロゴを一新しました。
2018年度にディレクターとなった多田淳之介により、翌2019年度にモデルチェンジをおこないました。 名称をAsian Performing Arts “Forum”から、Asian Performing Arts “Farm”へ変更。プログラムとして、創ることで枝“葉”を伸ばすための「Exhibition」、自身を深めて“根”を広く強く張るための「Lab」、自分自身に最初の“種”を植えるための「Young Farmers Camp」の3つの“場”を設定しました。
各プログラムごとに実施期間を経て、公演やプレゼンテーションやレポート等でAPAFの体験をアウトプットします。これらの積み重ねにより、これからのアジアの舞台芸術シーンを担うアーティストやプログラムを輩出する“Farm”を耕していきます。
ディレクター紹介

多田淳之介(ただ・じゅんのすけ)
Photo:平岩亨
1976 年生まれ。演出家。東京デスロック主宰。古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品まで幅広く手がけ、現代社会に於ける当事者性をアクチュアルに問い続けている。子どもや演劇を専門としない人との活動、韓国、東南アジアとの海外コラボレーションも多数手がけ、演劇の協働力を基にボーダーレスに活動する。2010年より富士見市民文化会館キラリふじみ芸術監督に公立劇場演劇部門の芸術監督として国内歴代最年少で就任、3期9年間務める。2014年「가모메 カルメギ」が韓国の第50回東亜演劇賞演出賞を外国人として初受賞。青年団演出部。四国学院大学、女子美術大学非常勤講師。
APAF-3つのプログラム
○APAF Exhibition
ひとりではたどり着けない場所へ
トランスカルチャーを背景にした国際コラボレーション作品の可能性を拓くクリエーションプログラムです。様々なバックグラウンドを持つメンバーが相互に刺激し合い、これまでの経験とは違った創作方法やコミュニケーションへのトライ、また観客からのフィードバックを通じて、アーティストとしての「枝葉」を伸ばします。
○APAF Lab.
ボーダーを越えて、身体を超えて、アジアの舞台芸術の未来へ
アジア各地で活動する舞台芸術の人材が文化や国籍を超えて集まり、新たな価値観を養うことで自身の活動の「根」を広げていくためのアートキャンプです。公募で選ばれたLabメンバーは作品等の成果物に向かうのではなく、お互いの活動や価値観の共有、レクチャーやディスカッションなどのアクティビティを通じて世界観を広げながら各自のリサーチに取り組みます。期間中は、ファシリテーターが参加者に伴走し、最後には一般公開のプレゼンテーションを実施します。
○Young Farmers Camp.
20代までのアーティストたち、最前線を体感せよ!
日本を拠点に活動する20代までの舞台芸術の人材を対象としたスタディグループです。APAFでの国際的な創作や共同作業の現場に立ち会うほか、レクチャー受講、海外アーティストや同世代のYFC(Young Famers Camp)メンバーとのディスカッションや交流を実施します。これからを作るための新たなビジョンを得ることを目指し、自分自身に様々な「種」を植え、芽吹かせるためのプログラムです。
コミュニケーションデザインの導入
APAFでは、国や文化等の異なるメンバーが集まる国際協働の現場において、コミュニケーション、対話の方法や質が及ぼす影響について積極的に検証、議論し、指針を示してしていくために、コミュニケーションデザインという考え方を導入しました。
APAFの変遷
名称 | 開催都市 | 開催期間 | 参加都市・参加者居住地 |
---|---|---|---|
第1回アジア舞台芸術祭 | 東京 | 2002年8月18日(日)~23日(金) | 北京、デリー、ハノイ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、台北、東京 |
第2回アジア舞台芸術祭 | デリー | 2003年11月2日(日)~7日(金) | 北京、デリー、ソウル、東京 |
第3回アジア舞台芸術祭 | ハノイ | 2004年10月2日(土)~6日(水) | 北京、ハノイ、ソウル、台北、東京、バンコク*オブザーバー都市 |
第4回アジア舞台芸術祭 | 台北 | 2006年11月29日(水)~12月3日(日) | デリー、マニラ、ソウル、台北、東京 |
第5回アジア舞台芸術祭 | マニラ | 2007年11月25日(日)~27日(火) | デリー、ハノイ、マニラ、ソウル、台北、東京 |
第6回アジア舞台芸術祭 | ソウル | 2008年10月6日(月)~9日(木) | ハノイ、クアラルンプール、ソウル、台北、東京、バンコク*オブザーバー都市 |
第7回アジア舞台芸術祭 | 東京 | 2009年11月25日(水)~29日(日) | ハノイ、ソウル、台北、東京 |
アジア舞台芸術祭2010(第8回) | 東京(国際共同制作ワークショップ) | 2010年10月31日(日)~11月9日(火) | ソウル、台北、東京 |
アジア舞台芸術祭2011(第9回) | ソウル、台北、東京 (東京は国際共同制作ワークショップEXTも開催) | 2011年10月23日(日)~11月20日(日) | ハノイ、ソウル、台北、東京 |
アジア舞台芸術祭2012(第10回) | 台北(国際共同クリエーションプレ公演)、東京 | 2012年11月23日(金)~12月2日(日) | デリー、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、上海、シンガポール、台北、東京、ウランバートル |
アジア舞台芸術祭2013(第11回) | 東京 | 2013年10月25日(金)~11月5日(火) | バンコク、ハノイ、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京 |
アジア舞台芸術祭2014(第12回) | 台北、東京 | 台北:2014年8月13日(水)~14日(木) 東京:2014(平成26)年11月17日(月)~30日(日) |
バンコク、北京、ハノイ、マニラ、ソウル、シンガポール、台北、東京、トムスク、ヤンゴン |
アジア舞台芸術祭2015(第13回) | シンガポール、東京 | シンガポール:2015年10月29日(木)~31日(土) 東京:2015(平成27)年10月31日(土)~11月17日(火) |
ドイツ、インドネシア、日本、韓国、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、イギリス |
アジア舞台芸術人材育成部門2016(第14回) | シンガポール、東京、台北 | シンガポール:2016年5月14日(土)~15日(日) 東京:2016(平成28)年11月18日(金)~21日(月) 台北:2016(平成28)年12月16日(金)~18日(日) |
中国、インドネシア、日本、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ |
APAF-アジア舞台芸術人材育成部門2017(第15回) | 東京 | 2017年12月1日(金)~4日(月) | 中国、インドネシア、日本、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム |
APAF―アジア舞台芸術人材育成部門2018 | 東京 | 2018年11月6日(火)~12日(月) | インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム |
APAF―アジア舞台芸術人材育成部門2019 | ジョグジャカルタ、東京 | 2019年9月26日(火)~10月27日(日) | 韓国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ |
APAF―アジア舞台芸術ファーム2020 | オンライン、東京 | 2020年10月20日(火)~25日(日) | 韓国、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、インド |
お問い合わせ
APAF制作オフィス
MAIL:apaf@tokyo-festival.jp