国際共同クリエーション

国際共同クリエーション

『ビューティフル・トラウマ〜Behind the Seen〜』

前年の国際共同制作ワークショップで制作された小作品より 1作品をフルサイズの作品に発展させ上演するプログラム。
「化粧」というテーマのもと制作された、インドネシアの演出家ユスティアンシャ・ルスマナによる『ビューティフル・トラウマ〜Behind the Seen〜』を上演します。

本プログラムは終演致しました。ご来場ありがとうございました。

  

日時・会場

日時:11月9日(金)19:00〜11月10日(土)13:00〜
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
上演時間:60分(予定)
申し込み:入場無料・要予約(10月6日(土)10時より)

11月9日(金)19:00〜

11月10日(土)13:00〜

演出家

ユスティアンシャ・ルスマナ (通称ティアン)
インドネシアの若手演出家。2003年、在学中より舞台でのキャリアをスタート。その後、Teater Ghantaに所属し、2009年に舞台公演を制作。同年、全国大学生演劇祭で最優秀演出家賞を受賞。ジャカルタ演劇祭では最優秀演出家賞を受賞(2013年~2014年)。2014年には、スイス・バーゼル市で開催された、暴力に抵抗する国際青少年キャンペーンImagine Das Festival Gegen Rassismusに若手演出家として参加。現在は、Teater Ghantaで芸術監督を務め、またスタン・タクディル・アリシャバナが討論している記録音源(1969年)をもとにしたシアター・アーカイヴス・プロジェクトの一環で『タクディルのマイクはない(原題:Tidak Ada Mikrofon untuk Takdir)』を共同で制作している。これは2018年10月ジャカルタの全国演劇週間中に上演を予定している。今年は、ティアンにとって2度目のアジア舞台芸術人材育成部門(APAF)参加となる。『Beautiful Trauma』を出品した去年に続き、アジア各国の複数の出演者と共同制作を行う。

演出家より

APAFの国際共同制作に二度もご招待いただき、とても光栄です。国を超えた共同作業では、様々なアートの方法論や創造的な思考の違いがあるという現実に対し、演劇こそがまさに我々の間に共通して存在するものであると確信できるような多くの出来事が起こります。アイデア同士のつながりを整理し芸術的な決定を下すまでの、緊張感を持った多くのやりとりを通じて互いに信頼感を抱きはじめる過程は、まるで様々な角度から光源が反射しあうかのようであり、まさにここから芸術から生まれるのです。私は演出家として、この共同作業を通じて生まれてくるアイデアはより進歩的であると創造しています。設定されたテーマの中から多くの視点を見い出し、美を舞台上に創造するために最善を尽くします。このような経験は、私の仕事に対する理解をさらに広げてくれることでしょう。演劇とは、疑問と無知との対話のプロセスにすぎません。そこには波に乗り大海を泳ぐような楽しさがあると思っています。APAFとすべての仲間たちに感謝を込めて。

『ビューティフル・トラウマ〜Behind the Seen〜』ディレクターズコメント

本作品を制作する過程で、軍という言葉を今日の現代的な市民社会へ関連づける方法を模索しました。見つかった言葉はファッション。ファッションとしての軍隊(ミリタリー)です。
軍隊(ミリタリー)において、重要であり、かつ化粧というテーマと強く関係していると考えられることの一つが、カモフラージュの歴史です。キュービズムはこれを置き換え、人々の生活において、芸術と戦争との間に明確な関係性を作り出しました。アンディ・ウォーホルの絵画シリーズ「カモフラージュ」(1987年)は、カモフラージュがポップカルチャーにおいて偉大な存在になったということを人々に思い知らせました。カモフラージュを洗練し、美しいものとして見せたウォーホルの素晴らしいアイデアは、21世紀の都市では至る所で目にすることができます。
この作品は、私たちの身の回りにあるものごとから着想を得て書かれた各々のテキストと、テーマを基に即興で生み出された動きを合わせて制作されたものです。普段の生活の中で、身近にあっても気づかずにいるなにか。見えていないもの、あるいは見たくないもの。それは、戦いに加わり、他人になり、死んでしまうことと代わりはありません。ウォーホルが予見したように、現在、カモフラージュは私たちの日常生活に浸透しています。戦争はワードローブだけでなく、私たちの潜在意識にすら忍び込んでいるのです。

ーユスティアンシャ・ルスマナ

出演

アブナー・T・デリーナ・ジュニア(フィリピン)

三方美由起(日本)

南波圭(日本)

パタウィー・テープクライワン(タイ)

八木光太郎(日本)

*アルファベット順

スタッフ

舞台監督:浦弘毅(ステージワークURAK)
演出助手:坂倉球水
音響:和田匡史
照明:島田雄峰(LST)
衣装:藤林さくら
スチル撮影:松本和幸
記録動画撮影:古屋和臣
通訳:木村慶子、小林有紗、柴田恵理子(株式会社TOPランゲージ)、髙橋絵美(株式会社TOPランゲージ)、髙橋みのり(株式会社TOPランゲージ)
制作:生野佐保子、植松侑子、中島ふみえ、神川美優

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